不動産屋のカモにされる!?遺族不和の原因になる!?遺産の不動産売却マニュアル

2015年11月06日公開

不動産売却の手数料についてのマンガ

誰が売却を担当するべき?

まず、だれが売却を担当するか。これは本当に大切です。
理想を言えば「親族全員が納得できる人」です。

そんな方がいれば、誰が売却を担当するべき?と言うのは問題にならないので、そういう人がいない際は、「最も固い職業に付いている人」を充てるべきです。

具体的には「医師・弁護士」>「公務員」>「銀行勤務」>「大企業社員」>「中小企業社員」>「個人事業主」という順位です。(宗教や社会活動に傾倒している方を除く。理由は後述)

これは固い職業の人間が偉いと言っているわけではありません。
固い職業に付いている人は、仕事が比較的「全体の利益の為に動く・自分の守備範囲で問題を起こさない」という判断の元で行われていますので、複数人の利害が絡む問題に対して公平に動くことが期待できます。

実際に売却額を最も高くしたいからと、個人事業をやられている「社長」に任せることはお勧めできません。
価格は最も高く売れるかもしれませんが、プロセスや結果のシェアで周り全員を納得させる力はありません。

時間が自由に取れるからと、ずっと専業主婦をやっていたり、学生などの社会経験が少ない人に担当させることもお勧めできません。
「公平・公正」な精神を持っていたとしても、公平・公正と周りから認められる動きが出来るとは限りません。
公平・公正はある種の技能ですので、それをプロフェッショナルとして実践してきた人に任せるのが最良です。

また、万一不正を行った際の社会的制裁が最も強く働くのも固い職業の人ですので、それを牽制する意味でも固い職業の人に任せるのが良いでしょう。

特定の宗教や社会活動に傾倒している方は、不正を行って属する団体への利益を図った際、その団体からの社会的な報酬が受ける社会的制裁を上回ってしまうことがあり得るので、候補から除外するべきでしょう。

自分が売却担当になったら

万一自分が売却担当になったら、供養のつもりで「親族のトラブルを回避する」事を第一に考えて動きましょう。

自分のツテの有る不動産屋に相談する等はせずに、みんなが納得する企業にみんなが納得するプロセスで売却することを事前に全員の合意を取って、その通りに何も考えずに無心で動きましょう。

はっきり言って損な役目だと思います。
最も面倒で気を使って、それでも最後には絶対誰かから不満が出たり後ろ指刺されたりする役割です。

でも、あなたがやっているということは、あなたにしかできないことかも知れません。
個人の遺産を元にみんなが一番笑顔になれるように、頑張ってください。

不動産屋の選定

紹介された業者は使わない

遺産があるとなると色々な所から「良い不動産屋紹介するよ」とか「大手○☓不動産の部長さんと知り合いだから特別に口聞いてもらうよ」とか「私、故人の○○さんにお世話になってた不動産屋です」等有るかもしれません。

それこそお寺の住職から不動産屋の紹介をされることも有るくらいです。

ここは後々のトラブルや疑念を避けるためにも、一般的な方法での売却をお勧めします。

遺産売買の契約獲得のためのネットワークを張っている業者と言うのは、そのネットワークに引っかかった顧客を「他業者へ流れ辛い」客と考えて、カモに近い扱いをしてくる所があります。

ある程度大きい地元エリアNo.1の不動産屋」「全国規模で展開している不動産屋」それぞれから査定を取り、高い方と契約し、後は任せるのが良いでしょう。

他の家族に売却を任せることになったら

信頼できる人を据えて、口を出さない

「○○を☓☓したらもっと高く売れるよ。」
「☓☓についてのレポートとか調べたの?一人で決めないでよ」

言いたくなると思います。分かります。

たとえ親切のつもりでも、でもそれはぐっと飲み込んで、任せましょう。

あなたが3つの事を言うということは、5人の遺族から15の言葉が飛んで来るということです。

親切のつもりならばこそぐっと飲み込みましょう。人は親切のつもりで言った言葉を受け入れられないと「ムカ」っとしますし、その言葉を無視せざるを得ない方もまた、心苦しいです。
お互い無用なストレスを溜めないためにも、余計な口出しはしないに限ります。

ただでさえ普段行わないような大きな仕事を任されて一杯一杯になっているところに、色々言われてはどんな人でも心を病んでしまいます。

「多くの金を得る、賢い売却をする」ことよりも、「公正で皆が納得する、幸せな売却をする」ことの方が大切です。
大役を担った売却担当の人に不満しか残らない売却は、不幸な売却です。

ですので、改めて肝に命じて下さい。

信頼できる人を据えて、口を出さない

暗礁に乗り上げたら

兄弟が二人しかいなくて、双方が双方を信頼していない。

遺族の一人が周りと没交渉でその人の理解を得るのが難しい。

このような場合には費用はかかりますが、早いタイミングで不動産売却の代理人を立てて任せるのが良いでしょう。

分け前で揉めそうな場合も、そうそうに弁護士を立てるのが良いでしょう。 その際に気をつけたいのは、自分に便宜を図ってもらうためでなく、公平な判断を仰ぐ為に立てるようにすることです。

たとえ100万であっても、揉めてしまうと数十年引きずってしまうもの。
人の恨みを買うということは金銭には換えられない大きなリスクになります。さくっと外部にまかせて円満に解決するのが良いでしょう。

まとめ

売却担当は誰もが納得する人。いなければ固い職業の人に。(宗教や社会活動に熱心な人を除く)

売却担当にならなかったら、一切口出さない。

揉めそうなときは不動産売却代理人を使う。
分け前で揉めそうなときは早めに弁護士を立てる。

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